前回に引き続き、CAMFTの理事、ナンシー・ファラーさんとのインタヴュー記事を参考にして話をしていこうと思う。
その1ではインターネットでの出会いから実生活での出会いに至るまでの部分に多少触れたが、今回は実生活での出会いまでに至るかどうかよりも、実際にインターネットで
出会ってしまった部分について話をしていこうと思う。
インターネットでの出会いについては色々あるものの、その大半は前回で書いたものとなるだろう。
これは実生活での
漠然とした出会いとは違い、道すがら通り過ぎる人をさすような出会いではないと言うことが前提となる。
たいていの場合、その出会った人に対して声をかけることが出来、その相手が話すことなどに注意深く耳を傾ける(と言う表現はおかしいかもしれないが)ことが出来る。その会話はとても自分の興味をそそるものかもしれない。
こういった流れから会話に参加して、意気投合して、それが不倫につながる....なんてケースはまれだと思う。
チャットでの出会いと言えば、大抵は世間話から入るものだろう。実際そのほうが会話に入りやすい。
またチャットに参加している人の大半が「こういう会話をしたい」というよりも誰かと話していたい、誰かにかまって欲しいと思って参加している気がする。つまり最初に話す会話の内容はそれほど重要ではない。あげるとすれば気軽に参加できる、専門的な知識を必要としない、笑いがある、と言ったことが満たされていればたいていそのチャットルームは盛り上がると思う。
数年前、フロリダ州立大学の研究者が80人以上の男女を対象に、バーチャルな浮気について調査したところ、浮気をした本人は罪の意識が薄いが、浮気された方はリアルな浮気動揺に裏切られたと感じ、怒り、傷つくという結果だった。
ファラーさんによれば、「一般的に、女性は"そこに精神的つながりがあるかどうか"、男性は"実際に起きていたこと"に反応する傾向があります。それはヴァーチャルな浮気であっても変わりません」とのことだ。
と、記事にあるのだけれどこのヴァーチャルな浮気とはどういうことなのだろう。
ほぼ記事からの抜粋になってしまうけれど、チャットルームで口説いたり口説かれたりする。画像や映像を使って性的なやり取りをする。ポルノサイトを利用する。またはもっと単純に恋人や配偶者以外の異性と交流している。と言ったもの。
自分に恋人がいる場合はその人が、いない場合ももしいたら、ということで想像してもらいたいのだけれど、以上のようなことを恋人が自分以外の異性とのあいだで行っていたら?あなたはどう思うのだろう。
僕の場合はあまり恋人に歓迎される意見ではないけれど「異性の友達は必要かつ重要で、一緒に食事をするくらいの相手はいて欲しい」と思っている。
自分にもそういった相手はいる。
なかなか時間がないので、滅多にないことではあるけれど。
ただここで言う「食事もするほどの親密な異性の友達」とインターネットで知り合って、インターネットでのみの交流をする友達には違いがあると思う。
寂しさを抱える人たちが、ネットで出会った相手に秘密を打ち明けたり、深い感情を見せたりしはじめるのに時間はかからない。たとえ一度も会ったことのない相手でも、いやそれだけに、メールやチャットの交流には親密なつながりを感じさせることの出来る、魔力ともいうべき力がある。
確かにこれは顕著に感じる事実であり、僕自身もインターネットで知り合った方からいろいろな相談や告白を受けたことがある。
こういったことがきっかけで、それらが浮気に発展する可能性は多いにある。もしくは、この行為自体が既に浮気になってしまう可能性も否定できない。
恋人のことについて相談されたり、もしくは恋人にたいする愚痴を聞くこともある。しばしば僕はそういう状況にあるわけだけれど、彼女たちの恋人はこの事実を恐らく知らない。そしてもし知ったとするといったいどう思うのだろう。
僕の場合を考えてみると、それはさほど問題ではない。
確かに内容によっては直接恋人と話をしてみるべきことであると感じる場合もある。そう感じたときにはそのように促すようにはしている。
そう言った判断は実は当事者本人にもわかっているケースが多く、ただ誰かに聞いてもらいたい、背中を押してもらいたい、と言っただけの場合が多いような気がする。
だから僕の恋人がそう言ったことをしていても、それで二人の関係がうまく行くならそれでいいとは思う。
相談された時はセラピストの真似事をしているようで、なんだか偽善的にも思えるのだけれど実際歓ばれたりすると僕自身嬉しくもなるし、更には彼女達が恋人とうまくいっているのを聞くと、それも嬉しいニュースだ。
ただここで考えるのは相談相手が一体誰であるか、ということ。
もちろんどんな人でも良いというわけではない。
誰なら良くて誰ならだめなのか、なんていうことを一口では説明できないけれど。
そう言った基準は人それぞれあると思うけれど、そんなこともたまには考えながらネットでの出会いを楽しんでみるのも良いと思う。
実際インターネットは人と人のつながりを容易にし、普段なかなか新しい人との出会いの機会をもてない人にはとても便利なものであることは確かだ。気をつけるべきは便利で多くの人間が使いたがるものには、いつもそれを悪用しようとする人間がいるということ。今回のテーマに関わらず、ネットでの出会いについては充分注意を払うべきだと思う。また、不倫をしたくない人、不倫をさせたくない人も充分ネットでの新たな出会いに気をつけた方がいいだろう。
参考記事:
Link Club Newsletter (text by スマキ ミカ さん)